はじめての<超ひも理論>
『はじめての<超ひも理論>』
川合 光 著
講談社現代新書
書名に「はじめての」とあるようにわかり易い解説ではあるが、一般的な紹介本以上の内容がある。
超ひも理論を解くための摂動論の問題と非可換幾何学の行列模型などについて解説されている。
超ひも理論といえば余剰次元のコンパクト化との関連でカラビ・ヤウ図形の話がでてくるものであるが、この本には出てこない。代わりに?超ひも理論から4次元時空を導きだせると述べている。
そして超ひも理論からビッククランチ以後についても推論できるという。付録に「私たちは50回目の宇宙に住んでいる?」という新サイクリック宇宙論についての紹介がある。この宇宙はビッグバンとビッククランチを繰り返して成長し、これを50回繰り返して今日のような宇宙が出来上がったという。けっこう衝撃的な話である。