宇宙の統一理論を求めて
『宇宙の統一理論を求めて 物理はいかに考えられたか』
著者:風間洋一
岩波現代文庫
比較的新しい本(2016年9月出版)なので、比較的最近の発見などの目新しいことが多少は盛り込まれているのではないかと期待して注文してみた。古代における宇宙論から超弦理論に至るまでの「宇宙の統一的理解」の歩みを解説している。
特段新しい知見が得られたわけではないが、時代時代の物理法則のなにが問題とされ、どのようにその問題が新しい法則によって「解決」されてきたのかを1.要素への分解、2.共通の特徴の探索と同一法則の発見、3.前2者を統括する「対称性の原理」をキーワードにひも解いている。
個人的には10章以降のヒッグス粒子・ニュートリノ振動・ダークマター、量子重力と超弦理論などの説明がよかったように思う。