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サイクリック宇宙論


『サイクリック宇宙論  ビックバンモデルを超える究極の理論』

著者:ポール・J・スタインハート、ニール・トゥロック

翻訳:水谷淳

発行所:早川書房

もっともらしく思えないという先入観から、この本を読むのを後廻しにしてきたが、全くの錯誤であった。サイクリック宇宙論はなかば常識的な考えとなっているインフレーション理論、マルチバース宇宙論及び補足する人間原理といったものを180度ひっく返している。宇宙論が今また面白くなっている。

サイクリック宇宙論はM理論によって発見された2つのブレーンが衝突によって開始されるというエキピロティック宇宙論が元になり、ブレーンが1兆年以上の歳月をかけて繰り返し、誕生と死を繰り返すという。その誕生は前世の宇宙を引きついで繰り返すたびに大きくなっているともいう。

インフレション理論同様にビッグバン以降の様々な天体観測データを説明できることに変わりはなく、むしろダークエネルギーについてはより合理的な説明ができているようだ。

大10章の「インフレション多宇宙かサイクリック宇宙論か」は特に興味深い。

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