巨大ブラックホールの謎
『巨大ブラックホールの謎』
~宇宙最大の「時空の穴」に迫る~
著者:本間希樹
発行所:講談社 BLUE BACKS
新しい観測装置や天文観測衛星によって、次々に宇宙の隠れていた謎が明らかにされたり、重力波のように理論的に予言されていた事象が検証されたりしてきている。
太陽質量の30倍以上の星は最後にはブラックホールになるといわれているが、この本がテーマにしているのは銀河の中心部にある巨大ブラックホールである。
2015年9月に世界で初めて観測された重力波は2つのブラックホールの合体によるもので、このような吸収・合体を通じて銀河中心部に巨大ブラックホール出来上がってきたものかもしれない。
天の川銀河にはいて座Aスターといわれる太陽質量の400万倍のブラックホール、M87の中心部には30~60億倍のブラックホール、中には1兆倍以上のブラックホールもあるという。
ブラックホール本体は見えないが、降着円盤や宇宙ジェットは非常に明るい光を放つので、これらを観測することで、ブラックホールを観測しようというわけである。この本は巨大ブラックホールがどのようなものであり、どのように観測しようとしているかについて解説している。